腱鞘炎について

ド・ケルバン病とは

ド・ケルバン病の症状
手関節の母指（親指）側に運動時痛、圧痛、腫脹がみられます。

ド・ケルバン病の原因
妊娠出産や更年期の女性において、特に原因がなく発症することが多いです。
女性ホルモンバランスの変化が関与していると言われています。
育児中で子供を抱きかかえたり、家事等で、手首や手指への負荷がかかっている人に発症しやすい傾向があります。

母指の動きに関係している短母指伸筋腱、長母指外転筋腱が通る第１腱区画の腱鞘炎です。
炎症により腱鞘が肥厚し滑りが悪くなり発症します。

ド・ケルバン病の診断
母指を中に入れて手を握った状態で手首を小指側に曲げようとすると痛みが誘発（Eichhoffテスト）され、
超音波検査では、第１腱区画の腱鞘肥厚や浮腫が観察されます。

ド・ケルバン病の治療
手首の安静とNSAIDS投与を行います。
痛みが強い場合は、ステロイド腱鞘内注射を行います。

ばね指とは

ばね指の症状
母指、中指に後発し、ＭＰ関節の掌側に運動時痛、腫脹（結節）、圧痛がみられます。特に起床時に症状が強く出ることがあります。症状が進むと、指を曲げ伸ばしする際に動きが引っかかり、バネのような動作になります。

ばね指の原因
器械的な刺激による炎症が原因になり、日常的に手を使う仕事をする方に見られます。
更年期の女性に多く、妊娠出産期の女性にもみられるため、女性ホルモンバランスの関与があるといわれています。
また、糖尿病や関節リウマチ、透析治療中の方でも発症することが多く、複数の指に生じることがあります。

ばね指の診断
超音波検査でＭＰ関節周囲の腱鞘（A1プーリー）の肥厚、浮腫がみられます。

ばね指の治療
患指の安静とNSAIDS投与を行います。
痛みが強い場合は、ステロイド腱鞘内注射を行います。