治療について

産婦人科の治療について

ピル・緊急避妊について

ピルって?

卵巣からでてくる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の合剤で、実薬を内服したあと休薬あるいはプラセボの内服をすることで周期的に月経(消退出血)を起こすものです。正しく使用することで排卵が抑制され、さまざまな効果が得られます。

ピルを飲むとどうなるの?

排卵が抑えられます。なので排卵することによって起こる症状が軽快する可能性があります。

ピルの効果は?

避妊、生理痛や生理のときの諸症状(腰痛、腹部膨満感、嘔気、頭痛、疲労、脱力感、いらいら、下痢など)の改善、PMSやPMDDの改善、月経量の減少、月経周期が整う、子宮内膜症の進展予防、ニキビの改善、卵巣がん、子宮体癌の予防、大腸がんの発症リスクの減少など様々な効果が期待できます。

ピルの避妊効果

100人の女性がある避妊法を1年間用いた場合に、避妊に失敗する確率をパール指数と言います。ピルを理想的に使用した場合のパール指数は0.3、一般的な服用(飲み忘れなどを考慮)では9といわれています。

ピルの飲み方

月経5日目までに服用を開始します。可能であれば1日目からの内服が望ましいです(早ければ早いほどよい)。実薬を飲み切ると3〜4日以内に月経がきます。一般的には実薬21日、プラセボ7日、合計28日のタイプのピルが多く、飲み切ったらそのまま次のシートに移ります。

中には最大120日まで連続して内服し、月経回数を抑えることができるピルもあります。

周期投与と連続投与
周期投与:28日周期で月経が起こるようにするもので、基本的なピルはこちらになります。

連続投与:実薬を最大120日内服を続けるものです。これによって月経の回数が大幅に少なくなります。こちらの方が月経の際の出血日数が少なく、休薬期間の頭痛や気分の変化が起こりにくくなると言われています。

120日の間に出血が始まった場合には、3日出血が続いたら3日間休薬をして月経を誘導します。
ご希望の種類がある方は診察のときに遠慮なく申し出てください。なお、避妊目的の場合には自費のピルになります。

ピルの副作用

1. 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
生殖可能年齢女性(ピルを内服することができる年齢)での深部静脈血栓症の発生頻度は1〜5/10,000婦人・年間ですが、ピルの内服によってそれが3〜9/10,000婦人・年間に上昇します。

でも実は妊娠中、産後のほうが発症頻度が高くそれぞれ5〜20/10,000婦人・年間、40〜65/10,000婦人・年間です。ですのでそこまで怖がらずに考えていただけたらと思います。

しかしながら、生命を守るためにもリスクが高い方には処方をお断りしています。

ピルが内服出来ない人
・年齢50歳以上
・35歳以上で1日15本以上の喫煙者
・重度の高血圧糖尿病脂質代謝異常症
・妊娠あるいは授乳中
・肺高血圧症や心臓弁膜症など
・肝機能障害
・閃輝暗点、星型閃光などの前兆を伴う偏頭痛
・乳がん患者
・血が固まりやすい、深部静脈血栓症など血栓やその既往、あるいは抗凝固療法中
・抗リン脂質抗体症候群
・ピルにアレルギーのある方
・妊娠中に黄疸、持続性掻痒、妊娠ヘルペスの既往歴

内服中に、激しい腹痛、激しい胸痛、呼吸困難、激しい頭痛、視野の障害、言語障害、意識障害、ふくらはぎの痛みや熱感増加、皮膚の発赤がみられた場合には直ちに内服を中止し当院に連絡(時間外の場合には近隣の救急外来)をお願いいたします。

2. 嘔気、嘔吐
15〜30%の方で程度に差はあれ吐き気を感じることがあります。しかし、飲み続ければ気にならなくなることが多く、続いても数日の印象です。実際に嘔吐される方は1〜5%未満です。しかしながら内服に影響がでるほど症状が強い方はご相談ください。

3. 頭痛
15〜25%の方で起こります。程度はピルの種類やその方の背景(偏頭痛があるのかなど)のよっても変わります。薬剤の変更でなくなることもしばしばありますので、気になる方は遠慮なく申し出てください。

4. 不正出血
これは頻度が高く25〜80%の方で起こります。ふくとついてくる、ナプキンが少し汚れるくらいの程度のものが大部分ですが、ピルの種類やその方の背景(前治療の有無や年齢など)によります。飲み続ければ必ず止まってきますし、長くとも3ヶ月、大部分の方が1ヶ月程度で収まります。受診のときに症状をお聞かせください。

ピルの都市伝説?

ピルを飲むと不妊になる、ピルを飲むと生まれてくる子供に影響がでる、ピルを飲むと太ってしまう、などありますが、これらは医学的根拠がまったくないことですのでご安心ください

緊急避妊(アフターピル)って?

「避妊をしなかった」「コンドームが破れてしまった、外れてしまった、などの避妊に失敗した」「性被害にあってしまった」などの場合、72時間以内に内服することで、望まぬ妊娠を阻止することができます。

妊娠を阻止できる確率は100%ではありませんが、早く内服すればするほど、高い確率で阻止できます。

緊急避妊薬はそのタイミングでの妊娠を阻止するためのものです。内服後に再度避妊に失敗した場合はまた改めて緊急避妊薬を内服する必要があります。緊急避妊薬を内服後も必ずコンドームによる避妊を行うとともに、生理予定日を1週間超えても生理が来ない場合には受診してください。

普段から、通常のピルでの確実な避妊をお勧めします。なお、緊急避妊薬を希望の際は予約不要です。
当院では、安全性、効果の観点からレボノルゲストレル法を採用しております。

レボノルゲストレル法

避妊失敗後72時間以内に1回内服。
副作用は嘔気、嘔吐、頭痛などがありますが、比較的症状は軽いです。緊急避妊として承認があるのはこの方法のみです。おおよそ75%の妊娠を回避すると言われています。

また、内服までの時間が早ければ早いほど妊娠を阻止する率が高くなります。

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