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産婦人科の治療について

4月から、緊急避妊薬としてにミレーナが使えるようになりました。
これまで国内薬事承認が通っている緊急避妊薬はレボノルゲストレル経口薬のみで、避妊失敗から72時間以内に内服するというものです。
ミレーナは子宮腔内に挿入するレボノルゲストレル外用薬で、避妊失敗から120時間以内に装着(子宮腔内に挿入)することで99%とより高い避妊効果が発揮できる薬剤です。さらに、その後も挿入し続けることで5年間の避妊効果を発揮できます。
【ミレーナとは】
ミレーナは、月経困難症、過多月経での保険診療、自由診療では避妊目的に使用されている子宮腔内に中に挿入するレボノルゲストレル徐放外用薬です。効果は5年続きます。
なぜ「外用薬」かというと、ミレーナは⼦宮腔内に挿⼊されると、少量ずつ(20μg/⽇)の レボノルゲストレルが放出されますが、子宮内膜にのみ作用し、全身的な影響はほとんどないため「外用薬」として扱います。ミレーナを装着することで、⼦宮内膜を薄くする変化をもたらし過多月経の方の出血量を減らしたり、月経痛を軽減する効果を発揮します。
ミレーナを装着し続けると、⼦宮内膜の変化以外にも⼦宮頸管粘液の水分量が低下し、精⼦が⼦宮内への侵⼊しにくい環境に変化すると考えられ、これらの変化もミレーナの避妊効果の機序のひとつとして考えられます。
【避妊効果について】
これまで、緊急避妊薬として国内で薬事承認が通っているものはレボノルゲストレル経口薬のみで、避妊失敗から72時間以内にレボノルゲストレル1.5mgを1回内服しますが、避妊効果は84%で、約15%程度で妊娠の可能性があります。
それに比較して、ミレーナの場合は、5日(120時間)以内に装着をした場合、99%の避妊効果が認められます。

(UPSI:避妊に失敗した性交渉 EC:緊急避妊 IUD/IUS:ミレーナ、LNG:レボノルゲストレル経口薬)
【ミレーナのメリット・デメリット】
ミレーナから放出されるレボノルゲストレルは、前述の通り⼦宮内膜のみに有効成分がとどまり、周辺組織への移⾏は少なく、経⼝薬と比較して全⾝的な影響は低いといわれます。
メリット:
・レボノルゲストレル経口薬よりも、より高い避妊効果があること。
・妊娠失敗から72時間を超えてしまった場合でも、120時間まで時間的な猶予があること。
・挿入し続けることで避妊薬として5年間効果があること。
・もともと⽉経困難症や過多⽉経があった方はその症状の改善も期待できること。
・抗けいれん剤などの肝の薬物代謝酵素誘導作⽤のある薬剤を内服している方はレボノルゲストレル経口薬が効果が減弱しますが、ミレーナの場合影響を受けず避妊効果が発揮できること。
デメリット:
・クラミジア等性感染症がある場合悪化させる可能性があること
・未経妊の方などで子宮頸管狭い方ではデバイスが挿⼊しにくい・挿入できないこと
・そのまま装着し続けた場合は、数ヶ月の間不正性器出⾎がしばしばみられること
・ニキビ、体重増加、嘔気、頭痛、乳房腫脹、機能性卵巣嚢胞の潜在的リスクがあること
【緊急避妊薬でミレーナがおすすめな方】
・避妊失敗から72時間を超えてしまった方。
・経産婦の方。
・しばらくは妊娠を望まない方。
【ミレーナの緊急避妊の方法】
・2回の受診していただきます。
初回:避妊失敗から120時間を超えないうちにミレーナを挿入する必要がありますので、お早めに相談ください。
クラミジア等性感染症の疑いがある場合、同時に検査や治療を行います。
2回目:挿入後の1ヶ月後に妊娠していないことの確認を行います。
【料金】
緊急避妊ミレーナ料金55,000円 (別途、診察料、感染症検査・治療代がかかります)
希望の際は、麻酔科専門医による静脈麻酔で無痛挿入もすることもできます。(別途33,000円)
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